イノベーション・DX創発のための最新理論を学会で発表

IoT・AIセンター長の星合隆成教授がP2Pの基になった理論として、世界的に注目された「ブローカレス理論」を1998年に発表して以来、これまで【概要】に示すような理論の拡張を進めてきました。近年では、日本囲碁界のトップアマである星合真吾氏(元早稲田大学囲碁部主将、本学非常勤講師)や星合真歩氏(中央大学)との共同研究により、イノベーション・DXの創発には「P2Pと囲碁(概念と仕組み)」の組み合わせが有効であることを明らかにしました。


今回、この成果を、6月7日~9日に札幌大学において開催された日本情報経営学会第87回全国大会にて発表しました。新たな理論(概念)による新たな価値観の創発に関して大きな反響が得られました。

【全国大会Webサイト(大会概要とプログラム)】
https://jsim.sakura.ne.jp/jsim87/


【概要】

・1995年、コンピュータ同士の「ゆるやかで自律的なつながり」からイノベーション(新たな価値観)を創発することを目的とした研究をスタートさせました。これがブローカレス理論・SIONet(シオネット)であり、後にP2P理論としてインテルやサンマイクロシステムズなどをはじめとして世界的に注目されるようになりました。この「ゆるやかで自律的なつながり」という新たな概念から、スカイプ、P2P保険、NTTフレッツ光グリッド、SNS、ブロックチェーンなど革新的なビジネスモデルやサービスが多数誕生しました。

・2004年、このP2P理論を地域活性化・地域創生・地域イノベーションに活用する研究がスタートしました。これがSCB理論(地域コミュニティブランド)です。SCB理論では、地域資源同士の「ゆるやかで自律的なつながり」からイノベーション(新たな価値観)を創発することを目指しました。

・そして2023年、「ゆるやかで自律的なつながり」を「弱くてゆるやかで自律的なつながりを異分野間で新たに構築(外ベクトル)」として理論拡張し、この外ベクトルを構築する手段として囲碁とP2Pの組み合わせが有効であることを明らかにしました。現在、NTT西日本、肥後銀行、農水省、財務省、総務省、熊本市などの地方自治体、IT企業、崇城大学全学部講義など多くの団体が外ベクトルによるイノベーション・DX創発手法を学んでいます。

 

【論文】

星合真歩,星合真吾,星合隆成:囲碁と P2P による地域イノベーション・地域 DX 創発手法,日本情報経営学会全国大会,第87 回大会予稿集,pp.117-pp.120, 2024.6.8

https://www.ai-go.info/ドキュメント/